2009 Fiscal Year Annual Research Report
DisulfiramによるMenkes病の新規治療法確立
Project/Area Number |
21791011
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
藤澤 千恵 Teikyo University, 医学部, リサーチフェロー (10393000)
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Keywords | Menkes病 / disulfiram / 銅代謝 / macularマウス / 治療 / 銅酵素活性 |
Research Abstract |
Menkes病(Menkes kinky hair disease, trichopoliodystrophy)はX染色体劣性遺伝形式をとる先天性銅代謝異常症で、男児18万人に1人の頻度で発症する。本研究の目的はMenkes病の治療法を開発し、有効な治療法を確立することである。本年度はDEDTCのダイマーであり、すでに医薬品として認可されているdisulfiramを使用して臨床での応用を念頭に、macularマウスにdisulfiramと銅の併用療法を検討した。Menkes病患者に対する臨床応用を可能とするため、銅を皮下注射、disulfiramを経口投与し、容量を確定した。投与計画は生後4~5日で銅を50μg皮下注射した後、週1回銅を10μg皮下注射するとともにdisulfiram 0.3mg/g body weightの経口投与を2ヶ月行った。コントロールにはmacularマウスにdisulfiramの代わりにDDWの経口投与を行った。2ヵ月後にdisulfiramの効果を検討した。その結果、生後2ヶ月における体重はdisulfiram群において有意に体重の増加が認められた。臓器重量は肝臓において有意に臓器重量の増加が認められた。2ヵ月後の各臓器の銅濃度測定を行った結果、小脳及び血清中銅濃度がコントロール群に比べ有意に銅濃度が増加していた。 これらの結果からdisulfiramがMenkes病患者に有用な治療方法である可能性が示唆された。今後は細胞内小器官に銅が輸送されているかを検討する。また、銅酵素活性を測定するとともに副作用についても検討を行う。
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