2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウムチャネル遺伝子変異によって引き起こされるてんかん発病機序の解明
Project/Area Number |
21791020
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
荻原 郁夫 独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, 研究員 (30373286)
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Keywords | 脳神経疾患 / てんかん / 脳・神経 / 神経科学 / 電位依存性ナトリウムチャネル / 抑制性神経細胞 |
Research Abstract |
電位依存性ナトリウムチャネルα1サブユニット(SCN1A)遺伝子は、乳児重症ミオクロニーてんかんの責任遺伝子である。申請者は、これまでの研究成果から、SCN1A遺伝子突然変異による海馬・大脳皮質パルブアルブミン陽性インターニューロンの異常発火が抑制性神経回路の障害を生じ、結果、けいれん発作が発現すると考えている。本研究は、SCN1A遺伝子を抑制性インターニューロン特異的に、あるいは興奮性神経細胞特異的に破壊した遺伝子操作マウスの作出と解析を行った。 今年度は、抑制性インターニューロン特異的ホモ接合体SCN1A遺伝子破壊マウスを作製した。抑制性インターニューロン特異的ヘテロ接合体SCN1A遺伝子破壊ホモ接合体SCN1A遺伝子破壊マウスは、全例が生後11から13日の間に死亡した。この抑制性インターニューロン特異的ホモ接合体SCN1A遺伝子破壊マウスの死亡時期は、通常のSCN1A遺伝子ノックアウトマウスの死亡時期(生後14-20日)よりはるかに早かった。さらに、抑制性インターニューロン特異的ホモ接合体SCN1A遺伝子破壊マウスを詳細に観察したところ、死亡する前日まではマウスは見た目正常であるのに対し、死亡当日は、無活動と、断続的なミオクロニー様の発作が認められた。免疫組織学的解析は、抑制性インターニューロン特異的ホモ接合体SCN1A遺伝子破壊マウスの海馬で、電位依存性ナトリウムチャネルα1サブユニットの発現低下を認めた。以上の結果は、SCN1A遺伝子突然変異による海馬・大脳皮質抑制性インターニューロンの異常発火がけいれん発作発現機序とする申請者らの仮説を支持した。
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Research Products
(7 results)