2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791021
|
Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
春田 雅之 Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center, 臨床腫瘍研究所, 研究員 (80392190)
|
Keywords | 腎芽腫 / βカテニン / WTX |
Research Abstract |
腎芽腫の半数近くは既知原因遺伝子に異常が認められていない。腎芽腫の発生機序には未知の原因遺伝子が関与していると予想され、未だその分子生物学的特徴は未明な部分が多く残っている。腎芽腫の半数近くにβカテニンの核蓄積を認めることから、Wnt/βカテニン分解系の異常が腎芽腫の発症に関与することが示唆されている。しかし、βカテニンの核蓄積をWnt/βカテニン分解系に関与する既知原因遺伝子(CTNNB1(βカテニン)と剛遺伝子)異常だけでは説明できず、腎芽種においてβカテニンの核蓄積とWnt/βカテニン分解系に関わる他の遺伝子異常との関与については不明である。そこで腎芽腫の分子生物学的特徴の解析の一環として、本研究において腎芽腫発症におけるWnt/βカテニン分解系に関わる遺伝子群(AXIN1、AXIN2、GSK3β、APC、WTXそしてβカテニン)異常の関与とその意義を明らかにする。本年度はWTXタンパク質コード領域、CTNNB1、AXIN2およびAPC遺伝子の変異高頻度領域の変異解析を行った。腎芽種114症例の解析においてCTNNB1遺伝子変異20症例、WTX遺伝子変異23症例、APC遺伝子変異1症例を認めたがSXIN2変異高頻度領域に変異は認めなかった。CTNNB1、APCとWTXの異常は同一腫瘍で重複しなかった。また、見いだしたAPC遺伝子変異は大腸癌で既に報告されていた。これらのことはWnt/βカテニン分解系異常が腎芽腫発症において重要であることを裏付けた。
|
Research Products
(5 results)