2009 Fiscal Year Annual Research Report
RSV感染における肥満細胞の脱顆粒化を誘導する非免疫系シグナルの特定
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21791022
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
白戸 憲也 National Institute of Infectious Diseases, ウイルス第3部, 主任研究官 (40415477)
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Keywords | ヒトRSウイルス / 肥満細胞 / 脱顆粒化 / HMC-1 / A549 |
Research Abstract |
1) RSV感染A549細胞で特異的に発現する分子の検索 RSVまたはウイルスストックの陰性対照であるHEp-2cell lysateをA549細胞に接種し、3日後に回収した。回収した材料からTotal RNAを抽出し、東レ社の高感度DNAチップ3D-Geneによるマイクロアレイにより、発現遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、RSV感染A549細胞に特異的に発現している細胞表面分子候補をいくつか得られた。その中で発現量の差が最大であったのはCX3CL1であった。またRSVがよく複製するA549細胞と、ほとんど複製しないHMC-1細胞の発現遺伝子差に関しても検索を行った。サブトラクション法により比較したところ、Cytokeratin(C)8および18遺伝子に大きな差がある事が判明した。C8およびC18はそれぞれ塩基性、酸性ケラチンであり、1対で発現すると考えられている。 2) 特定された分子を用いたHMC-1細胞の脱顆粒化への影響の検討 1) によりRSV感染A549細胞における主要な発現遺伝子としてCX3CL1が検索された。そこでCX3CL1遺伝子をRT-PCRにより増幅し、哺乳動物細胞発現プラスミドであるpTargeTに組込み、発現プラスミドを構築した。現在構築されたプラスミドを用いてCX3CL1をA549細胞に発現させ、HMC-1細胞の脱顆粒化への影響を検索している。また、A549細胞で発現しているがHMC-1細胞に発現していない遺伝子としてC8およびC18が検索された。そこで同様にしてC8またはC18遺伝子を発現するプラスミドを構築し、HMC-1細胞へ形質導入し、恒常的にC8およびC18を発現するHMC-1-C8/18を確立した。本細胞を用いてRSVの複製への影響を検討している。
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