2009 Fiscal Year Annual Research Report
RT-PCR法による腸管粘膜バリア機構およびプロバイオティクス感染予防効果の解明
Project/Area Number |
21791042
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
久田 研 Juntendo University, 医学部, 助教 (10420853)
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Keywords | RT-PCR / プロバイオティクス / bacterial translocation |
Research Abstract |
Bacterial ribosomal RNA-targeted RT-Quantitative PCR(BrRNA-RT-qPCR)は、ribosomal RNAを標的とすることで従来のPCR法よりも検出感度が向上した分子生物学的手法である。そこで、まず、血液中起因菌検出法としての本PCR法の有用性を検討するため、臨床的敗血症を疑う血液検体において、起因菌の検出を試み、血液培養と比較した。対象は、低出生体重、外科疾患などにより当院および関連病院に入院となった新生児で、入院経過中に呼吸障害、体温の不安定、不機嫌、活動低下、検査値の異常などから敗血症が疑われた児とした。本年度の対象には39名の新生児がentryされた(出生体重:2091±788g,在胎週数:34.8±5.8weeks,男女比:25/14,発症日齢:13.7±2.9)。血液培養における細菌検出率は6/39(15.3%)であったのに対し、BrRNA-RT-qPCRでは16/39 (41.0%)と、血液培養に比べ3倍程度の高い検出感度を認めた。以上より本PCR法は、血液中起因菌を高感度に検出可能であると考えられる。今後は、症例数を増やし、その有効性を証明するとともに、プロバイオティクス投与によるbacterial translocationへの影響を検証するため、定量的な菌血症の評価を行う予定である。
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