2009 Fiscal Year Annual Research Report
周産期呼吸リズム調節とCl-ホメオスタシス:乳幼児突然死症候群の中枢性要因の探索
Project/Area Number |
21791046
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
岡部 明仁 Hyogo College of Medicine, 医学部, 講師 (10313941)
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Keywords | 乳幼児突然死症候群 / KCC2 / 細胞内C1^-濃度 / GABA_A受容体 / グリシン受容体 / 舌下神経核 |
Research Abstract |
乳幼児突然死症候群(SIDS : Sudden Infant Death Syndrome)の一因として脳における呼吸循環調節機能不全が考えられている。呼吸リズムはGABA及びグリシン作動性の抑制性ニューロンにより制御されており、神経細胞の応答性はその細胞内Cl^-濃度([Cl^-]_i)に依存して変化すると考えられている。そこで、本年度は、Cl^-ホメオスタシス調節分子、特にKCC2(K^+-2Cl^-共輸送体)について、呼吸中枢を含む発達期延髄毛様体領域における発現分布及びその変化を、免疫組織化学法を用いて検討した。その結果、マウスの舌下神経核において、生後0日齢から成熟するまで発達に従い、隣接する迷走神経核と比べてKCC2の発現は減少していることが確認された。しかしながら、その他の呼吸リズムに重要であると考えられている、pre-BotC、BotCなどの領域では、明らかな発現量変化は認められなかった。KCC2は神経細胞内のCl^-濃度を低値に保つ役割を持つので、発現量が減少していると言うことは呼吸リズムを調節するGABA及びグリシン作動性抑制性ニューロンの作用が、発達期の舌下神経核において変化している可能性を示唆した(The 11^th Oxford Conferenceにて報告)。その他、GABA_A受容体については13種類のうち8種類、グリシン受容体については4種類のうち2種類の抗体を入手し、それぞれ免疫組織化学法でコンスタントに検出できる系を確立した。
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