Research Abstract |
黒色腫細胞とリンパ球を様々な比率で混じ,混合物からmRNAを抽出し,RT-LAMP法の検出限界を確認する。RT-LAMP法とすでに行ってきたRT-PCR法,組織診断の結果を照合し,特異性,感度を比較、確認する。さらに黒色腫患者に対し,現場で実践するに際し,リンパ節摘出からRT-LAMP法の結果がでるまでの行程時間がばらつきなく安定し,時間効率に優れていることを確認する。術中迅速診断をRT-LAMP法を用い,実践,その結果・問題点を検討する,の点を中心に研究を行っている。実験1)メラノーマ細胞内のメラニン合成酵素でメラノーマ特異抗原である Tyrosinase, gp100, MART-1, MITF, HER3らの遺伝子産物の検出における感受性,特異性の確認のためにヒトメラノーマ細胞株SKme128とヒト単球系細胞株JurKatを比率1対100,1対1000,1対10000,1対100000と比率を変更して、混合物によりRNAを抽出したRT-LAMP法を施行,遺伝子産物の検出限度を測定、検出限度が次第に判明しつつある。実験2)我々が施行した悪性黒色腫患者のセンチネルリンパ節生検でルーチンとなっている組織学的検査と、実験レベルでは,センチネルリンパ節の一部のサンプルからmRNAを抽出保存し,RT-PCR法で分子生物学的レベルでメラノーマ関連遺伝子の解析しているので、それらサンプルすべてにRT-LAMP法を施行し,組織学的検査,RT-PCR法で検索しているメラノーマ関連遺伝子Tyrosinase, gp100, MART-1, MITF, HER3の遺伝子の検出を行い,過去の結果と比較し,特異度,感度を検討中である。実験3)実験2)によって検討・決定された適切なリンパ節の試料サイズをもとに摘出したリンパ節の一部をサンプリングし,mRNAを抽出,それを標的としリアルタイム濁度測定装置LA-320Cを用いて,RT-LAMP法を施行し,遺伝子検出を行っている。この一連の作業をスムーズに1時間程度で完了させれなければ,術中迅速法には適用できないので,頻回によるシュミレーションを研究代表者が行い,安定して迅速な作業ができるかを確認中であるが、安定した時間内で作業できることがわかってきた。
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