2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791062
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大松 華子 Teikyo University, 医学部, 助手 (70508069)
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Keywords | 細胞接着分子 / 接触皮膚炎 / α4β7インテグリン |
Research Abstract |
既にβ7インテグリン欠損マウスでは接触反膚炎が減弱しており、その原因はαEβ7インテグリンではなく、α4β7インテグリンの欠損であることが明らかとなっている。また、DNFBで感作したβ7インテグリン欠損マウスもしくは野生型マウスの所属リンパ節より分離したT細胞を野生型マウスもしくはβ7インテグリン欠損マウスにadoptive transferし、recipientマウスの耳介にDNFBを塗布すると、β7インテグリン欠損マウス由来のT細胞を静注された群では、野生型マウス由来のT細胞を静注された群に比較してrecipientマウスの耳介腫脹が減弱することが示されている。一方、接触皮膚炎の惹起相においては、活性化T細胞が抗原塗布部皮膚に移動すると考えられている。そこでβ7インテグリンが欠損すると、T細胞の抗原塗布部への移動が障害されると予想された。この仮説を実証するために、DNFBで感作した野生型マウスもしくはβ7インテグリン欠損マウスの所属リンパ節より分離したT細胞をCFSEで標識後に野生型マウスにadoptive transferし、recipientマウスの耳介にDNFBを塗布した際の、recipientマウス体内でのCFSE陽性T細胞の分布を検討した。具体的には、recipientマウスの耳介、末梢血、脾臓、末梢リンパ節中に存在する全T細胞に占めるCFSE陽性細胞の割合を検討した。その結果,末梢血中に存在するCFSE陽性細胞の比率は両群でほぼ等しかったが、耳介部のCFSE陽性細胞の比率はβ7インテグリンが欠損したT細胞を静注された群で少なく、逆に脾臓と末梢リンパ節中に存在するCFSE陽性細胞の割合はβ7インテグリンが欠損したT細胞を静注された群で高かった。以上より、β7インテグリンが欠損すると惹起部皮膚へのT細胞の移動が障害されていることを明らかにできた。
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