2010 Fiscal Year Annual Research Report
性行為HIV感染におけるToll-like receptorの役割
Project/Area Number |
21791067
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小川 陽一 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (20377542)
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Keywords | HIV / Langerhans cells / STDs / Toll-like receptors / APOBEC 3G |
Research Abstract |
数々の研究において膣にHIV以外の性行為感染症(STD)が存在することにより、HIVの感染リスクが高まることが報告されてきたが、そのメカニズムは不明であった。 ランゲルハンス細胞(LC)はHIV感染における最も重要な感染ターゲット細胞と考えられており、我々はSTDのmicrobial componentsがLCのToll-like receptor (TLR)、あるいはnucleotide-binding oligomerization domain (NOD)を介して認識され、LCにおけるHIV感染を増強しているのではないかと考えた。 我々はMonocyte-derived LC、あるいは、ヒト表皮LCにおいてTLR1/2、およびTLR2/6アゴニストがHIV感染を強く増強することを発見した。TLRアゴニストの代わりに、グラム陽性細菌を用いた場合も同様であった。驚いたことにMonocyte-derived DCでは、LCとは対照的に、TLR2関連アゴニストがHIV感染率を有意に減少させた。 LCにおいてTLR2刺激はHIVの複製阻害蛋白であるAPOBEC3Gの発現を有意に低下させ、このことがLCにおけるHIV感染増強を引き起こしていると考えられた。対照的に、DCにおいてTLR2刺激はAPOBEC3Gの発現を有意に増加させていた。 また、TLR2刺激はLCにおいてHIV receptorであるCD4の発現を増強し、対照的にDCにおいてHIV co-receptorであるCCR5、またC-type lectin receptorであるDC-signの発現を低下させていた。 以上より、膣にSTDとして存在するグラム陽性細菌の構成要素がLC上のTLR2を介して認識されることにより、生体内でのHIV感染および播種の増強が引き起こされていると考えられた。
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