2010 Fiscal Year Annual Research Report
天疱瘡水疱形成におけるデスモグレイン3とp120カテニンの結合性調節分子の同定
Project/Area Number |
21791070
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
周 円 岐阜大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (60444288)
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Keywords | 天疱瘡 / デスモグレイン3 / P120カテニン |
Research Abstract |
皮膚角化細胞において天疱瘡抗体刺激後、p120のリン酸化サイトの決定 今回の実験ではサブコンフルエントに達した低カルシウム培地で培養した正常表皮ケラチノサイトを使用した。本実験の前に、培地中のカルシウム濃度を0.06mMから1.2mMに上げると同時に、growth factor未添加の培地に置き換えた。正常ケラチノサイトにそれぞれ天疱瘡(PV)あるいは正常人(H)IgGを添加し、30分間インキュベーションさせた。反応後のケラチノサイトを回収し細胞抽出物を、それぞれ(1)PY20のついているbeadsと反応させ、ウェスタンブロットでp120のリン酸化特異抗体であるPY96, PY228, PY280で検出した。(2)PY96, PY228, PY280のくっついているbeadsと反応させ、ウェスタンブロットでPY20抗体を用いて検出した。結果は(1)の方法で検出する場合、PY96及びPY280においては、バンドが検出されなかった。PY228に関しては、Omin, PV30min, H30minのいずれにおいても、100KD付近にバンドが1本検出された。リン酸化の程度はOmin<<H30min<PV30minであった。一方、(2)の方法では、PY96のリン酸化は見られず、PY228は100KD付近にバンドが検出され、PY280は100~150KDの間に3本のバンドがみられた。以上の結果を合わせると、PV-IgGで正常ケラチノサイトを刺激すると、p120(PY96)のリン酸化はみられないが、PY228のリン酸化は認められた。しかし、PV30minサンプルとH30minサンプルのリン酸化の程度に顕著の差はみられず、今後サンプルを増やして有意差を検討していきたい。PY280のリン酸化に関しては今後さらに検討する必要がある。
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