2009 Fiscal Year Annual Research Report
SDF-1/CXCR4シグナル伝達経路の表皮角化細胞遊走における役割の解析
Project/Area Number |
21791079
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宮脇 さおり Ehime University, 医学部附属病院, 医員 (90467853)
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Keywords | 表皮角化細胞 / 細胞遊走 / SDF-1 / CXCR4 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
1) ヒト表皮角化細胞の培養 実験に先立ち、手術時の余剰皮膚より、正常ヒト表皮角化細胞を単離し、MCDB153培地を用いた無血清培養を行った。 2) 培養ヒト表皮角化細胞を用いたSDF-1による表皮細胞遊走能の検討 先ず、SDF-1による表皮細胞遊走をBoyden Chamber法を用いて定量化を行った。 SDF-1の濃度を0から300ng/ml、時間を6から8時間と条件を変えて比較検討したところ、SDF-1は濃度依存性に細胞遊走を促進し、刺激後6時間で100ng/mlをピークとしたベル型を呈した。SDF-1は100ng/mlを至適濃度とし表皮角化細胞遊走をコントロールと比して2倍にまで促進させることが明らかとなった。この実験結果に基づき以後の刺激実験には100ng/mlを使用した。なお、Human recombinant SDF-1はR&D社より入手した。 3) 培養ヒト表皮角化細胞を用いたSDF-1による表皮角化細胞遊走へのHB-EGFを介したEGF受容体Transactivation機構の関与の有無の検討 そこで、次にこのSDF-1による表皮角化細胞遊走へのEGF受容体Transactivation機構の関与を検討するために、至適濃度である100ng/mlのSDF刺激後のCell lysateと抗リン酸化EGF受容体抗体を用いたWestern Blot法を行ったところ、0から60分まで時間を変えて比較検討したところ刺激後10分をピークとして時間依存性にEGF受容体の活性化が認められた。 現在このSDF-1刺激による細胞遊走、ならびにEGF受容体の活性化がHB-EGFを介したEGF受容体Transactivation機構であるかの検討を各段階における阻害剤を用いて検討中である。
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