2010 Fiscal Year Annual Research Report
Pyrin関連分子の血管内皮細胞における役割の解明と血管炎症候群における変異検索
Project/Area Number |
21791087
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中村 智之 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10405459)
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Keywords | Pyrin / 血管内皮細胞 / 血管炎症候群 |
Research Abstract |
本研究においては、家族性地中海熱をはじめとする自己炎症疾患群における血管障害(vasculopathy)をモデルに、NLRP3インフラマソームを構成するpyrin関連分子の制御異常によって、血管内皮細胞死などの血管傷害、血管をターゲットとした炎症(血管炎:vasculitis)が惹起される可能性について検討し、いわゆる血管炎症候群におけるNLRP3インフラマソームとpyrin関連分子の役割を明らかにすることを目的とする。紫斑や不明熱・結節性紅斑を主症状とし、血管障害を伴う自己炎症疾患群が疑われる症例についてpyrin関連遺伝子の変異検索を行ったが、まだ変異を伴う症例は見出だされなかった。そこで昨年に引き続き、マウス皮膚血管肉腫由来血管内皮細胞株であるF-2を用いて、pyrin関連分子の血管内皮細胞におけるさらなる役割の検討を行った。F-2には、PyrinをはじめNLRP3インフラマソームの各構成成分の発現を確認したが、単純にR837を添加したのみではIL-1βの産生はごくわずかで、LPSによる前処置によって産生の増加を認めた。血管内皮細胞におけるTLR4の発現はエンドトキシンショックにおける血管障害に関わると考えられる。FACS解析により、IL-1β産生時のF-2はAnnexin Vと結合し細胞死に近い状態であることが確認されたが、mitotrackerとlysotrackerを使った解析では変化を認めず、ミトコンドリア、リソソーム膜の変化は認めなかった。さらに皮膚型結節性多発動脈炎、アナフィラクトイド紫斑病等の血管炎症候群におけるpyrinのSNP解析を開始しているか、まだ評価できるほどの症例数を集めるには至っていない。
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Research Products
(5 results)