2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791088
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
吉益 隆 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00364092)
|
Keywords | ループスエリテマトーデス / 肥満細胞 / モデルマウス |
Research Abstract |
ループスエリテマトーデスの皮膚病変は、紅斑、紫斑、蕁麻疹様皮疹などと多彩である。ヒトループスのモデルマウスであるMRL/lprマウスの皮疹部に多くの肥満細胞が浸潤することが以前から知られており、肥満細胞がループスの皮疹の発症に関与していると我々は考えた。我々はMRL/lprマウスの皮疹部に浸潤する肥満細胞の多くにhistamine 2 receptor (H2R)が発現ておりTh2型の免疫反応との関連を明らかにし(Yoshimasu T et al ; The Open J Dermatol 2008)、さらに、長波長紫外線(UVA1)により、肥満細胞の浸潤が減少しMRL/lprマウスの皮疹発症が抑制されることを確認した(Naoya Mikita, Nobuo Kanazawa, Takashi Yoshimasu et al ; Clin Dev Immunol 2009)。我々は肥満細胞の存在しないKit^<W-sh>(W^<sh>)マウスにMRL/lprマウスを7代継代した。W^<sh>がホモで、本年度の実験では、肥満細胞が存在しないマウスの雄では5例中2例に皮疹が出現し、皮疹出現率は40%であった。また、W^<sh>がホモの雌では7例中3例に皮疹が出現した。合計でW^<sh>がホモの場合、12例中5例の42%に皮疹が出現した。一方、W^<sh>がヘテロの場合は雄で10例中は2例の20%に雌では17例中7例に皮疹が出現し、合計27例中9例の33%に皮疹が出現した。これらのことから肥満細胞が存在しないマウスでも、MRL/lprと同程度の皮疹が出現しており、肥満細胞の有無による皮疹の発症経過について現在観察中である。
|