2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791094
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大内 健嗣 Keio University, 医学部, 助教 (30528419)
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Keywords | 皮膚樹状細胞 / 形態 / 接着分子 / 免疫電顕 / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
平成21年度は樹状細胞サブセットの局在を把握するためにマウス耳介の表皮・真皮シートを作成し、whole mountで安定した免疫染色を得ることのできる系を整えた。BL-6マウスから作成した表皮シートを抗MHC-class II抗体、抗Cadherin抗体、抗EpCAM抗体で染色し、真皮シートを抗MHC-class II抗体、抗CD103抗体、抗Langerin抗体で染色した。表皮シートの観察からはこれまでに得られた知見と矛盾しない所見が確認され、真皮シートの観察からは特にランゲリン陽性真皮樹状細胞は毛嚢周囲に多く認められる事が判明した。 次に電子顕微鏡レベルで樹状細胞を同定するため、pre-embedding法による免疫電顕を施行した。予備実験としてpre-embedding法を選択したのは、手技的には容易であり、多数の切片観察が可能となるためである。具体的にはC57 BL-6マウスの耳介より採取した皮膚をwhole mountでpre-embedding免疫電顕の基質として使用し、一次抗体として抗MHC-class II抗体、抗EpCAM(CD326)抗体をそれぞれ反応させた後、ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンを結合させて、過酸化水素とジアミノベンチジン(DAB)で発色させた。透過型電子顕微鏡にて免疫染色を施した切片を観察したが、表皮細胞の変性が強く、表皮内・真皮内の樹状細胞で明らかな陽性細胞は見られなかった。抗体の深達度が問題と考えられ、今後はwhole mountではなく真皮シートにして使用するか、また表皮と垂直方向の切片にするか、平行の切片にするか、免疫電顕に最適の条件を探る予定である。そして、標的抗原の樹状細胞における詳細な局在を明らかにし、その細胞膜表面および細胞内分布の特徴を把握する。
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