2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791094
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大内 健嗣 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30528419)
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Keywords | 皮膚樹状細胞 / 形態 / 接着分子 / 免疫電顕 / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
平成22年度は電子顕微鏡レベルで樹状細胞を同定するため、post-embedding法での免疫電子顕微鏡を継続した。しかし、表皮細胞の変性が強く細胞形態が保たれないこと、および抗体の染色性不良があり、表皮および真皮の樹状細胞を判別することが困難であった。樹状細胞の観察のためには、目的以外の樹状細胞をノックアウトし、ターゲットを絞る必要があると考えた。そこで、我々は皮膚に存在する3つの樹状細胞サブセット(Langerhans細胞、langerin+真皮樹状細胞、langerin-真皮樹状細胞)をノックアウトする系を用いて皮膚樹状細胞の形態を解析することを試みている。具体的には、樹状細胞全般に発現する表面マーカーであるCD11c遺伝子、およびLangerhans細胞に特異的に発現するLangerin遺伝子にジフテリア毒素をノックインしたCD11c-DTRマウス、Langerin-DTRマウスを用い、以下に述べる3群のマウスを作成した。1:野生型マウスにLangerin-DTRマウスの骨髄を移植、2:野生型マウスにCD11c-DTRマウスの骨髄を移植、3:Langerin-DTRマウスにCD11c-DTRマウスの骨髄を移植した。骨髄移植の結果、真皮樹状細胞はドナー由来に置換されるが、表皮内のLangerhans細胞は放射線感受性が低いためレシピエントのままである。ジフテリア毒素を投与すると、各々の群のマウスは1:langerin+真皮樹状細胞のみ、2:langerin+およびlangerin-の真皮樹状細胞、3:皮膚樹状細胞サブセット全てが除去される。すでに骨髄移植は終了し、高い生存率を得られている。このマウスの皮膚をwhole mountでpost-embedding免疫電顕の基質として使用し、樹状細胞の形態および局在を詳細に検討する予定である。
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