2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規治療を目指した角化機序における転写調節因子Sp1の活性化機構の解析
Project/Area Number |
21791098
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高木 敦 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40459160)
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Keywords | Sp1 / Sp3 / 角化機序 / 角化関連遺伝子 |
Research Abstract |
今まで、角化機序に関連する複数の遺伝子が転写調節因子Sp1との関与が報告されており、正常角化機序において転写調節因子Sp1が重要な役割を果たす可能性が示唆されている。本研究は角化関連遺伝子と転写調節因子Sp1の相関を調べることが目的である。 今回我々は転写調節因子sp1とsp3をsiRNAにてノックダウンを行い、角化関連遺伝子への影響を調べた。その結果、Sp1ノックダウン下ではPAD2、トランスグルタミナーゼ3、ロリクリン、フィラグリンでは発現の増加傾向がみられた。逆にATP2A2、ATP2C1、インボルクリンでは減少傾向がみられた。また、Sp3ノックダウン下ではフィラグリンで増加傾向を示し、ロリクリン、ATP2A2では減少傾向がみられた。 この結果から、一様にSp1で発現が増加し、Sp3で発現が減少するといった単純なメカニズムで角化関連遺伝子に関与しているわけではなく、個々の遺伝子レベルで違ってきている可能性が推測された。たとえばロリクリンはSp1が抑制因子、Sp3が促進因子のように機能しているように観察されたが、ATP2A2やインボルクリンなどはSp1,Sp3共に促進因子として機能しているように観察された。また、フィラグリンではSp1,Sp3共に抑制因子として機能しているように観察された。しかしながら、現時点で通常状態での発現とカルシウム負荷による角化を誘導した状態での有意な差が得られておらず、引き続き検討していく必要がある。また、ウエスタンブロット法を用いてタンパクレベルでの解析も必要であり、今後の研究課題である。
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Research Products
(7 results)