2009 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイドーシスにおけるγδT細胞の異常と病因病態への関与
Project/Area Number |
21791102
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
植田 郁子 Kansai Medical University, 医学部, 助教 (80452100)
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Keywords | 皮膚生理学 / サルコイドーシス / γδT細胞 |
Research Abstract |
サルコイドーシスは、肺、リンパ節、皮膚、眼、心臓、筋肉など全身諸臓器に乾酪壊死のない類上皮細胞肉芽腫が形成される疾患で、現在でもその原因は不明であるが、局所で異常増殖する菌を標的として、肉芽腫形成が引き起こされる可能性が考えられている。ヒトT細胞のうちγδT細胞は細胞内寄生性細菌の感染初期の防御機構に加え、感染局所の肉芽腫の形成に関与している可能性が示唆されている。そこでサルコイドーシスにおけるγδT細胞の異常と病態への関与について検討した。 まず、サルコイドーシスにおけるγδT細胞の絶対数やリンパ球における頻度を末梢血細胞を抗γδT細胞レセプター抗体と抗CD3抗体で染色し、フローサイトメトリーで検討したが、正常人と比較し差はなかった。γδT細胞数と単球の細胞数との相関について検討するため、単球のマーカーである蛍光色素標識抗CD14抗体、抗CD16抗体による染色も同時に行ったが、明らかな相関はみとめられなかった。さらにサルコイドーシス患者におけるγδT細胞の表面分子の発現の異常について、フローサイトメトリーにより測定した。CD62L、CD69の発現については正常人と比較し差はなかった。また末梢血中のγδT細胞レパトアの異常について抗TCRVδ2抗体と抗Vγ9抗体を用いて検討したところ、Vδ2+細胞の頻度が減少し、Vγ9+細胞の頻度が増加していることがわかった。次に、サルコイドーシス患者末梢血中のγδT細胞の機能異常について検討するため、抗体を担持した磁気ビーズを用いて、磁石により捕集する方法を用いて単離を試みたが、回収したγδT細胞の純度が低く検討できなかった。今後、異なった方法での機能解析することを検討している。
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