2010 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイドーシスにおけるγδT細胞の異常と病因病態への関与
Project/Area Number |
21791102
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
植田 郁子 関西医科大学, 医学部, 助教 (80452100)
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Keywords | 皮膚生理学 / サルコイドーシス / γδT細胞 |
Research Abstract |
昨年までのフローサイトメトリーによる検討で、サルコイドーシスにおけるγδT細胞の絶対数やリンパ球における頻度は、正常人と比較し差はなかった。また、サルコイドーシス患者におけるγδT細胞の表面分子の発現の異常に関しCD62L、CD69の発現を比較したところ 較し差はなかった。末梢血中のγδT細胞レパトアの異常については、Vδ2+細胞の頻度が減少し、Vγ9+細胞の頻度が増加していることがわかった。そこで今年度はサルコイドーシスにおけるγδT細胞の機能異常について検討した。正常人および患者の末梢血を採取し、PMAとionomycinによる刺激を加え、4時間後に末梢血細胞を回収し、抗γδT細胞レセプター抗体で染色、その後に、刺激によりγδT細胞が産生することが知られているIL-17、TNFα、IFN-γによる細胞内染色を行って検討した。IL-17については正常人および患者のδT細胞いずれにおいても、わずかに産生が認められたがほとんど産生していなかった。TNFαについては、正常人および患者のδT細胞いずれにおいても産生されていたが、正常人および患者で明らかな差は認められなかった。IFN-γでは正常人および患者のγδT細胞いずれにおいても産生されており、さらに産生が亢進している患者がみられた。今後正常人、患者ともにサンプル数を増やしさらに詳細に解析し検討する予定である。 これらのサイトカインが、サルコイドーシスの病態に重要であると知られている単球に及ぼす影響につき、単球にこれらのサイトカインを加え培養し検討した。先の検討によりサルコイドーシスで産生が亢進している可能性が疑われたIFN-γを加え単球を培養したところ、単球の細胞数が増加することが確認された。今後、これらの作用がIFN-γによるものかどうか、IFN-γを阻害する抗体などを用いてさらに詳細に検討したい。
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