2010 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線照射による皮膚樹状細胞を介した免疫抑制機序の解明
Project/Area Number |
21791104
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
吉木 竜太郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (30412646)
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Keywords | 紫外線 / 免疫抑制 / 皮膚樹状細胞 / 調節性T細胞 / インターロイキン10 / OX40リガンド / RANKL / ケラチノサイト |
Research Abstract |
紫外線照射部位における接触皮膚炎感作の抑制を考えるに当たり、紫外線照射という皮膚局所の環境変化が皮膚における抗原提示細胞(ランゲルハンス細胞、ランゲリン陽性真皮樹状細胞、ランゲリン陰性真皮樹状細胞)の機能に影響を与えると仮定し、.実験を行った。今回の研究によりまず(1)紫外線照射部位においてランゲリン陽性真皮樹状細胞はアポトーシスに陥り、皮膚から消失するが、その他の抗原提示細胞は残存していること(2)紫外線照射部位に残存した抗原提示細胞は遊走能、抗原提示能ともに保持していること(3)紫外線照射後のランゲルハンス細胞は紫外線照射後、OX40リガンドを発現すること(4)紫外線照射後のランゲルハンス細胞は表皮ケラチノサイト上に発現するRANKLとの相互作用によりIL-10産生能力を有するようになること(5)紫外線照射後の皮膚に抗原を塗布した後、所属リンパ節において抗原特異的調節性T細胞を誘導するのはランゲルハンス細胞であることが明らかとなった。今回の研究結果により、皮膚へ特殊なストレスを与えることで皮膚局所の環境変化を生じさせ、ランゲルハンス細胞の機能を変化させることが可能であるということが判明した。また、外的刺激により「抗原特異的免疫抑制」を誘導する「調節性樹状細胞」を誘導できる可能性が示唆されたという上で大きな意義がある。現在の皮膚科治療はいわゆる対症療法がほとんどである。しかし最終的には、抗原特異的調節性T細胞を誘導するため「調節性樹状細胞」を人為的に効率よく誘導することが目標であり、その可能性とその糸口となる研究成果であったと思われる。この研究をさらに発展させることで皮膚科領域に限らず、一般的なアレルギー性疾患治療の臨床応用に役立つ重要な結果であると考えられた。
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Research Products
(2 results)