2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症におけるカルシニューリン結合タンパク質1遺伝子の包括的遺伝解析
Project/Area Number |
21791114
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡部 雄一郎 新潟大学, 保健管理センター, 講師 (90401744)
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Keywords | 統合失調症 / コピー数多様性 |
Research Abstract |
統合失調症は生涯有病危険率が約1%と高く、思春期に発症し社会機能の低下を伴い慢性に経過する精神疾患であるが、いまだその病態は明らかでない。統合失調症は複数の遺伝的要因と環境的要因が相互に影響して発症する複雑疾患と考えられているが、遺伝的要因の関与が大きく、分子遺伝研究は統合失調症の病態解明における最も有力なアプローチとして期待されている。 カルシニューリン結合タンパク質1(CABIN1)遺伝子は、統合失調症の責任領域とされている染色体22番長腕に存在し、統合失調症の病態への関与が示唆されているカルシニューリン関連遺伝子である。これらのことから、CABIN1遺伝子は統合失調症の有力な候補遺伝子と考えられる。先行研究により統合失調症患者において同定されたCANIN1遺伝子のまれなde novoコピー数多様性(CNV)が、統合失調症の発症脆弱性に寄与している可能性を検証するため関連解析を行った。 対象は、DSM-IV基準により統合失調症と診断された患者626人と精神疾患の既往のない対照者620人である。CABIN1遺伝子のまれなCNVについて、TaqManプローブを用いたリアルタイムPCR法によりコピー数を判定した。なお、本研究計画は新潟大学医学部遺伝子倫理審査委員会の承認を得ている。 判定可能であったサンプルのコピー数はすべて2であり、先行研究で報告されたCABIN1遺伝子のまれなCNVは検出されなかった。 CABIN1遺伝子のまれなCNVが統合失調症の発症脆弱性に寄与することを支持する結果を得ることはできなかった。しかし、まれなCNVを検出するにはさらに大規模なサンプルを用いた解析を実施する必要がある。
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] ミオシン重鎖9遺伝子は統合失調症と関連しない2010
Author(s)
渡部雄一郎, 天金秀樹, 金子尚史, 布川綾子, 村竹辰之, 石黒浩毅, 有波忠雄, 氏家寛, 稲田俊也, 岩田仲生, 功刀浩, 佐々木司, 橋本亮太, 糸川昌成, 尾崎紀夫, 染矢俊幸
Organizer
第32回日本生物学的精神医学会
Place of Presentation
リーガロイヤルホテル小倉(北九州市)
Year and Date
2010-10-09
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[Presentation] ドパミンD3受容体遺伝子と統合失調症のリスク2010
Author(s)
布川綾子, 渡部雄一郎, 金子尚史, 須貝拓朗, 矢崎沙織, 有波忠雄, 氏家寛, 稲田俊也, 岩田仲生, 功刀浩, 佐々木司, 糸川昌成, 尾崎紀夫, 橋本亮太, 染矢俊幸
Organizer
第32回日本生物学的精神医学会
Place of Presentation
リーガロイヤルホテル小倉(北九州市)
Year and Date
2010-10-09
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