2010 Fiscal Year Annual Research Report
中間表現型にニューロイメージングを用いた自閉症スペクトラム障害の分子遺伝研究
Project/Area Number |
21791115
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
遠藤 太郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70515759)
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 自閉症 / アスペルガー障害 / MRI / MRS / セロトニン・トランスポーター遺伝子 / セロトニン受容体遺伝子 / トリプトファン水酸化酵素2遺伝子 |
Research Abstract |
自閉症スペクトラム(ASD)者39名、定型発達者15名の脳形態、脳内生化学代謝情報をMRI、MRスペクトロスコピー(MRS)の技法を用いて測定し、また、ASD者150名、定型発達者600名より、唾液DNA収集キット(Oragene)を用いてDNAを収集し解析した。ASD者と定型発達者間での脳体積の比較では、ASD群で有意に両側視床の体積が減少していた。遺伝子解析の結果、トリプトファン水酸化酵素2(脳内のセロトニンを合成する)遺伝子(TPH2遺伝子)とASDの間に有意な関連が認められた。また、セロトニン・トランスポーター遺伝子(5-HTTLPR)、セロトニン1A受容体遺伝子(5-HTR1A)、セロトニン2A受容体遺伝子(5-HTR2A)とASD者の脳体積、脳内生化学代謝情報、臨床症状との関連を解析した結果、(5-HTR1A)遺伝子のGly272Asp多型をホモで持つ群において、両側視床の体積が有意に低下していた。また、5-HTTLPR遺伝子のS多型をホモで持つ群は、右内側前頭前野におけるNAAが有意に低下していた。さらに、5-HTTLPR遺伝子のLアレルを持つ群は、「聴覚反応」の症状が重篤で、5-HTR1A遺伝子のAアレルを持つ群では「非言語的コミュニケーション」、「活動性の水準」が重篤であった。 これらの結果は、第32回日本生物学的精神医学会にて発表した。さらに、ASD者における小脳の体積減少と5-HTTLPR児遺伝子とASD者の前頭前野の生化学代謝異常との関連については、各々Psychiatry Research : Neuroimaging誌に報告した。
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Research Products
(3 results)