2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬理ゲノム学的手法を用いた抗精神病薬誘発性QT延長症候群発症マーカーの探索
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21791117
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福井 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90535163)
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Keywords | 抗精神病薬 / 24時間ホルター心電図 / QT延長 / torsades de pointes / 心筋イオンチャネル / 遺伝子多型 / リスペリドン / オランザピン |
Research Abstract |
薬剤誘発性QT延長症候群は、薬剤の投与により心電図QT時間延長から致死的不整脈であるtorsades depointesを引き起こし、死に至ることがある。現在までに、第二世代抗精神病薬が心電図QT間隔に与える影響は数多く報告されている。しかし、その多くが日中短時間の心電図記録に基づいた評価であり、また、報告間で結果に相反が認められる。これはQT間隔に日内変動があることを考慮に入れていないことがその原因と考えられる。そこで我々は、24時間ホルター心電図を施行し、そのQT時間を解析することにより、QT間隔の日内変動の影響を考慮に入れてQT延長作用を厳密に評価する。また、現在までに各心筋イオンチャネル遺伝子多型が薬剤誘発性QT延長症候群の原因として報告されてきている。抗精神病薬の種類を含め臨床情報と上記の遺伝子情報を同時解析し、QT間隔に影響を与える因子を抽出することを目的とする。 本年度は、抗精神病薬内服中118名を対象とし、24時間ホルター心電図記録・解析および遺伝子解析を終了した。遺伝子解析は、欧米の大規模コホートを対象としたGWASで同定されたQT延長関連遺伝子多型(NOS1AP,SCA5A,KCNQ1,KCNJ2,PLN,LITAF)を対象とした。リスクアレル数(0-12)、年齢、性別、clorpromazine換算した抗精神病薬投与量を独立変数、24時間平均QTcFを従属変数として、ステップワイズ法による重回帰分析を行った。その結果、partial regression coefficientはそれぞれ、性別-15.83 (P<0.001)、年齢0.44(P=0.003)、リスクアレル数3.63(P=0.022)であり、QT間隔延長のリスクアレルの重複に伴って、QT間隔が延長することが示唆された。
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