2012 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害者の脳形態・脳機能異常と生物学的マーカー異常の関連
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21791120
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小坂 浩隆 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命准教授 (70401966)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 児童思春期精神医学 / 広汎性発達障害(PDD) / 自閉症スペクトラム障害 / functional MRI (fMRI) / オキシトシン / 共同注視 / アイコンタクト / コミュニケーション |
Research Abstract |
広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害, ASD)者の脳機能画像研究のほか、オキトシン経鼻投与による治療的アプローチを試みた。 2台のMRIを用いた2個人間のコミュニケーション(アイコンタクト・共同注視課題)中の神経活動を同時に測定するDual functional MRI研究を、青年期男女のASD者と定型発達(TD)者のペア21組にて施行した。ASD群は共同注視課題成績が低いほか、アイコンタクト・共同注視時に視覚野の賦活低下を認めた。ASD者とペアになったTD者においても課題成績はTDペアと比較して低かったが、視覚野と右下前頭回の代償的過剰賦活を認めた。全ての共同注視課題関連の脳活動をモデルにより取り除いた残差時系列をペアになった2個人のcoherenceをとったところ、TDペアに認められたような右下前頭回の共鳴はASD-TDペアには認められなかった。さらに、各個人内の機能的連結を探索したところ、ASD者ペアのTD者はTDペアと比較して、右下前頭回と右前方側頭溝の機能的連結が弱いことが認められた。ASD者はアイコンタクトや共同注視が十分にできず、ASD者ペアは注意力を上げ意図を共有しようと努力するも、結果的には右下前頭回の共鳴が起きにくく十分な意思疎通が起きないことは、臨床場面と一致する結果となった。 オキトシンが社会性を向上させる神経ペプチドとして注目されており、ASDをもつ女児にオキシトシンの経鼻投与を継続して行い、経過を観察した。投与2ヶ月後より、他者に挨拶やおしゃべりをするようになり、他者に共感を示すようになり、イライラ感や自傷行為も減少した。aberrant behavior checklist (ABC) scores でも改善が確認された。ASDの治療薬として、オキトシンの継続投与に期待がもてることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)