2009 Fiscal Year Annual Research Report
大うつ病に対する片側性ECTの評価:脳血流と認知・記憶の関連研究
Project/Area Number |
21791122
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安田 和幸 山梨大学, 医学部・附属病院, 助教 (90456442)
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Keywords | 電気けいれん療法 / うつ病 / 認知機能 / 脳血流 / 電極配置 |
Research Abstract |
当研究機関に入院する患者のうち、米国精神医学会の診断基準における大うつ病性エピソード(大うつ病性障害および双極性障害)を満たす患者13人に対して電気けいれん療法(ECT)を行った。またその際にECT前、ECT後1週、3ヶ月の3時点において、うつ症状評価のために17項目ハミルトンうつ病評価尺度およびベック抑うつ質問票、認知機能評価のためにMMSE(Mini-Mental State Examination)および生活健忘チェックリスト、脳血流SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)を行った。 患者の内訳は大うつ病性障害が6人、双極性障害が7人であった。ECTの電極配置は両側性が1人、片側性が12人であった。ECT前後の臨床症状評価ではうつ症状は明らかな改善を示し、認知機能は明らかな悪化も改善も示さなかった。片側性ECTの治療成績は、当研究機関における過去の両側性ECTでの治療成績と比べて、うつ症状の改善、認知機能の悪化について明らかな差はなかった。片側性ECTは刺激量の設定によって、うつ症状の改善および認知機能の悪化などの治療成績に影響がある可能性が示されたため、次年度に向けて刺激量設定の異なる2段階の治療群を設ける研究計画に変更した。 脳血流SPECTは核種99mTc-ECD(ニューロライト注射液 第一)を用い、e-ZIS(easy Z-score Imaging System)による画像解析を行った。研究結果は画像データを含むため、解析のためのコンピュータを設置し情報管理につとめた。また研究結果の解析と検討を次年度に行うため、関係学術集会に出席して本研究に関わる学術発表を行い、専門家らと本研究の解析方法について議論した。
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