2011 Fiscal Year Annual Research Report
性同一性障害に対するホルモン療法が心理・認知機能に及ぼす影響についての縦断的研究
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21791155
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
永井 宏 福岡大学, 医学部, 講師 (30441760)
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Keywords | 性同一性障害 / 性ホルモン / 認知機能 |
Research Abstract |
性同一性障害中核群と診断された場合、本研究に関する説明が文書及び口頭で行われ十分なインフォームド・コンセントのうえに研究への参加の同意が得られた患者のみを対象とする。他の精神科的な併存疾患が存在する場合、向精神薬の常用がある場合、性ホルモンに影響を与えると思われる身体疾患が併存する場合、MRI検査にて脳の器質的な障害を有する場合、は対象から除外される。 研究対象者全体に対し一般に性差の研究に使用されている認知機能検査・心理学的検査が施行され、同時期に検査施行時の血中性ホルモン動態を調べるための血液検査が行われる。 認知機能検査としては標的当て課題・3次元心的回転課題・Bentonの線分方向課題・言語流暢性課題・Pegboard課題が行われる。心理学的検査としてはWAIS-R知能検査・ロールシャッハテスト・バウムテスト・State-Trait Anxiety Inventory(STAI)・Zung Self rating Depression Scale(SDS)・ジェンダー・アイデンティティー尺度・Ben Sex Role Inventory(BSRI)日本語版・State-Trait Anger Expression Inventory(STAXI)日本語版といった検査が調査される。これらの検査項目はSlabbekoorn(1998)らの論文からの一部引用である。 ホルモン療法にあたっては日本精神神経学会の〈性同一性障害に関する診断と治療に関するガイドライン〉に準じる。認知機能検査・心理学的検査・血液検査はそれぞれホルモン療法治療開始前、治療開始前、治療開始後3ヶ月後で施行され、検査結果は治療開始前後において縦断的に比較検討される。 平成24年度は上記データの統計解析を行い、論文化する作業を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ自体は全て集まっているが、統計が終了していないため論文になっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
データの統計を行い論文化を進める。
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