2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨転移がんの早期診断,治療を目的とした放射性薬剤の設計
Project/Area Number |
21791172
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上原 知也 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 講師 (10323403)
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Keywords | D-penicillamine / オリゴアスパラギン酸 / SPECT |
Research Abstract |
がんが骨転移する初期段階に,血管透過性の向上,破骨細胞の活性化が生じることから,本申請課題では,血管透過性が向上した部位の破骨細胞に選択的に集積する放射性薬剤を設計,合成し,骨転移がんの早期診断,治療薬剤としての有用性を評価することを目的とする。これまでに,ペンタアスパラギン酸が低分子量ながら大きな分子サイズを有し,また速やかな血液クリアランスを有することを見出してきた。本年度では,アスパラギン酸含有ペプチドの差長と体内動態の関係を評価した。アスパラギン酸の差長を5,8,10,12を結合したethylene cystein dimer(EC)作製を試みたが、ペプチドのカラムへの吸着のため、収率が著しく低値であった。配位子部分をペニシラミン(D-Pen)に変更し、合成を行ったところ、目的物を得ることができた。^<99m>Tc標識化合物の作製を評価するために,非放射性レニウムを用いた薬剤も合成した。^<99m>Tc標識化合物は標識時pHを2-3にすることで、収率良く得ることができた。次いで,^<99m>Tc標識D-Pen-[(D-Asp)_n]の分子サイズを限外濾過法により評価したところ、残基数が増えるにつれ、分子サイズが増加し、また、ハイドロキシアパタイトへの結合も増加した。小動物用SPECT/CTにてその動態を評価したところ、ペプチド数8-10が最も良いと考えられた。今後、最適な差長の再確認を行った後、セリン残基の導入さらには破骨細胞への結合を評価してく。
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