2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791173
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井野 賢司 東京大学, 医学部・附属病院, 診療放射線技師 (10420217)
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Keywords | MRI / DTI / DTT / tractography / fMRI |
Research Abstract |
本研究では、MRI装置と、DTI解析用のフリーウェアVOLUME-ONE1.72と、dTVIIを使用し視放線等を模擬したファントムの評価および視覚領域に於ける脳白質線維描を行なった。DTT描出の検討は、直線状および半円の曲線状に配置した模擬ファントムを臨床で使用される条件にてスライス厚を3mm、4mm、・5mmに変化させ視覚的評価とDrawn Lines数・FA値の比較を行なった。直線状ファントムのFA値は、3mm=0.25±0.06、4mm=0.28±0.06、5mm=0.26±0.05。ADC(x10-3mm2/sec)は、3mm=1.77±0.11、4mm=1.66±0.12、5mm=1.72±0.17。Drawn Linesは、3mm=35、4mm=70、5mm=113のDrawn Linesの描出であった。曲線状ファントムのFA値は、3mm=0.37±0.15、4mm=0.33±0.16、5mm=0.32±0.15。ADC(x10-3mm2/sec)は、3mm=1.52±0.29、4mm=1.53±0.28、5mm=1.63±0.29。Drawn Linesは、3mm=61、4mm=35、5mm=27のDrawn Linesの描出であった。視覚的評価では、スライス厚を3mmの場合は、曲線状ファントムの描出が優れており、スライス厚を5mmの場合は、直線状ファントムの描出が優れていた。ファントムの評価の結果よりマイヤーズループなどの円弧状の形状を呈する視放線においては、曲線状模擬ファントムにおける撮像条件検討結果より、視覚的に描出能が良く、Drawn Linesが多く成ったスライス厚を薄くした、等方性ボクセルであることが必要であると考えられた。そこで、3.0T MRI装置を用いた視覚領域に於ける脳白質線維描の拡散テンソルの撮像パラメータは、スライス厚2.5mm、撮像範囲(FOV)256×256mm2、マトリックスサイズ128×128、これにより1ボクセルの大きさは2.56mm×2.56mm×2.5mmとなる。また、加算回数1回とすることにより、撮像時間を臨床現場で許容される10分程度と成った。視覚領域の白質線維DTTは、seed-ROIを外側漆状体、target-ROIを鳥距溝にして描出した。描出した視覚領域の脳白質線維は、視覚刺激にて賦活したROIと一致していた。視覚領域の脳白質線維のDTTと、視覚刺激にて賦活したfMRIとROIとの合成は可能であり今後その有用性を検討することが可能であると考えられる。
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