2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規放射性薬剤を用いた包括的転移性骨腫瘍診断治療法の確立を目指した研究
Project/Area Number |
21791174
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小川 数馬 Kanazawa University, 薬学系, 准教授 (30347471)
|
Keywords | イメージング / PET / 転移性骨腫瘍 |
Research Abstract |
転移性骨腫瘍の多くは激しい痛みを伴うために患者のquality of lifeは著しく損なわれる。PETを用いた核医学診断は形態診断法とは異なり、病巣部において形態変化を示す前の段階で見られる機能的変化を画像化することが可能な診断法であるため、転移性骨腫瘍を早期に発見するに適した診断法である。一方、近年、日本において、[<18>^F]FDGのデリバリーがはじまり、サイクロトロン設備を有さない施設においてもPETカメラを所有していればFDG-PET検査が可能となった。しかしながら、依然として他のPET用薬剤を用いる場合には高価なサイクロトロン設備が必要となる。ところが、<68>^Ga(半減期67.6分)は<68>^Geの娘核種であるため<68>^Ge-<68>^Gaジェネレータにより取り出すことが可能である。即ち、サイクロトロンを有さない施設においても、ジェネレータからのミルキングにより、病院内において容易に核種を入手することができ、標識後、検査に使用することができるといった大きなメリットを有する。本研究では、我々がこれまでに行ってきた放射性金属錯体conjugated bisphosphonateを放射性ガリウムに応用した。まずDOTA誘導体conjugated bisphosphonateを合成し、その後、放射性ガリウムが配位した錯体を作製した。その錯体をマウスに投与した結果、投与後速やかに骨への高い集積を示し、それ以外の放射能は腎臓から速やかなクリアランスを示した。従って、本薬剤の新規PET骨イメージング薬剤としての有用性が示された。尚、本研究では、半減期が長く扱いの容易な<67>^Gaを用いて研究を行った。
|