2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規放射性薬剤を用いた包括的転移性骨腫瘍診断治療法の確立を目指した研究
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21791174
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小川 数馬 金沢大学, 薬学系, 准教授 (30347471)
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Keywords | イメージング / PET / 転移性骨腫瘍 |
Research Abstract |
核医学診断は転移性骨腫瘍の早期発見に適した診断法である。^<68>Ga(半減期67.6分)は^<68>Geの娘核種であるため^<68>Ge-^<68>Gaジェネレータにより取り出すことが可能である。即ち、サイクロトロンを有さない施設においても、ジェネレータからのミルキングにより、病院内において容易に核種を入手することができ、標識後、検査に使用することができるといった大きなメリットを有する。 前年度の研究では、申請者がこれまでに行ってきた放射性金属錯体conjugated bisphosphonateを放射性ガリウムに応用し、Ga錯体の有用性を示した。当該年度は、そのGa-DOTA-coajugated bisphosphonateに関して、より詳細な検討を行った。尚、本研究では、^<68>Gaの代替核種として、半減期が長く、取り扱いが容易な^<67>Gaを用いて実験を行った。 骨の無機質の主成分であるハイドロキシアパタイトに対するGa-DOTA-conjugated bisphosphonate、Ga-DOTAの親和性を評価した結果、Ga-DOTA-conjugated bisphosphonateはハイドロキシアパタイトの濃度に依存した結合親和性の増加を示した。一方、Ga-DOTAはハイドロキシアパタイトへの結合は示さなかった。さらに、動物実験において、ビスホスホネート誘導体であるalendronateの過剰量事前投与により、Ga-DOTA-conjugated bisphosphonateの骨への集積を有意に低減させた。これら実験結果はbisphosphonate部位が放射性金属の骨への輸送担体として重要な役割を担っていることを示すものである。 本研究で得られた知見は、転移性骨腫瘍などの骨代謝異常疾患の診断や治療モニタリングのための^<68>Gaを用いたPETトレーサーの薬剤設計に有用な情報を提供するものと考えられる。
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Research Products
(5 results)