2009 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化不安定プラークを特異的に検出する分子標的イメージング剤の開発
Project/Area Number |
21791181
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小川 美香子 Hamamatsu University School of Medicine, 光量子医学研究センター, 准教授 (20344351)
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Keywords | 分子イメージング / メタボリックシンドローム / 動脈硬化 / 蛍光イメージング / 核医学イメージング / リポソーム |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームは動脈硬化の原因となり、さらに動脈硬化病変に生じる不安定プラークは、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす。一方、動脈硬化病変が進行しても安定プラークであればこのような病態を生じない。したがって、動脈硬化性疾患の予防のためには、不安定プラークを早期に検出し治療を行うことが重要である。本研究では、分子標的化機能性リボソームを基盤とした、不安定プラークの分子イメージング剤を開発する。まず初年度である平成21年度は、リボソームを用いた不安定プラーク光イメージング剤の開発に着手した。本来の予定では、先に、定量評価が可能である、放射性標識したリボソームを作成する予定であったが、原子炉により製造された99Moからジェネレータにより得られる放射性核種99mTcが、カナダ原子炉の停止により入手困難な状態となったため、まず、蛍光標識したリボソームを作成し検討を進めてきた。リボソーム内にTAMRAやindocyanine green(ICG)などの蛍光色素を封入し、マウス腹腔マクロファージに取り込ませ、蛍光顕微鏡により観察した。この結果、100-200nmのリボソームはマクロファージに効率よく取り込まれることが判明した。また、ICGを蛍光分子として用いた場合、リボソームに内包されている場合は光がOFFに、リボソームが壊れるとONになることを見いだした。すなわち、ICGを用いれば、不安定プラークでのみ特異的に光信号がONになる、アクチベータブルプローブを作成できる可能性が示された。来年度以降、リポソームの不安定プラークへのターゲティング研究、定量的測定を目指した放射性標識リボソームの作成を行う予定である。
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Research Products
(11 results)