2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい前立腺癌リスク分類による治療戦略最適化の試み
Project/Area Number |
21791192
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉岡 靖生 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (30379242)
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Keywords | 放射線治療 / 前立腺癌 / リスク分類 / 放射線腫瘍学 |
Research Abstract |
大阪を中心とした11施設652例から前立腺癌の根治的外照射のデータを集積して解析を行った。1995-2006年の12年間で、年間症例数は10倍に、グリソンスコアの普及率は0%から90%以上となっていた。87%の症例数で70Gy/35回の線量分割が用いられており、95%の症例で何らかのホルモン療法が加えられていたが、3年および5年の生化学的制御率は85%および70%とまずまず良好であった。新しいリスク分類による3層別化(PRIX 0, 1-5, 6)を行うと、従来のD'Amico分類(p=0.132)、NCCN分類(p=0.138)、Seattle分類(p=0.041)よりも生化学的制御率と強い相関を示した(p=0.002)。現在、第2次調査を行っており、有害事象の解析を行っている。こちらも論文化の予定である。 大阪大学で行っている、前立腺癌に対する高線量率小線源治療の単独療法(外照射非併用)について、線量体積ヒストグラム(DVH)による有害事象の因子について解析した。直腸のD1cc-10ccと直腸有害事象の間には有意な相関があり、直腸有害事象に最も影響を与える因子はV40とD5ccであった。我々の用いている54Gy/9回の線量分割による治療の場合、V40<8ccおよびD5cc<27Gyが線量体積制約として有用であることが示唆された。本成果は、世界的にも独創性の高い前立腺癌に対する高線量率小線源治療の単独療法の線量制約を示した点で斬新(おそらく世界初)である。 大阪大学で低リスク前立腺癌に対して行っている永久挿入小線源治療に用いるI-125線源の強度を1つずつ測定(single-seed assay)した。結果はメーカーの公称値とほぼ一致した。しかし線源強度の正確性は最終的には各施設の責任となるので、医学物理士を中心にQA/QCを担保する体制が望まれた。
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Research Products
(4 results)