2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい前立腺癌リスク分類による治療戦略最適化の試み
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21791192
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉岡 靖生 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30379242)
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Keywords | 放射線治療 / 前立腺癌 / リスク分類 / 放射線腫瘍学 |
Research Abstract |
大阪大学で行っている、前立腺癌に対する高線量率小線源治療の単独療法(外照射非併用)について、54 Gy/9回の線量分割による治療を行った患者群の観察期間中央値が5年を超えたため、論文報告した。1996年から2005年の間に112名の患者を治療した。その内、低リスク群患者は15名でその5年生化学的非再発率は85%、中リスク群患者は29名、93%、高リスク群患者は68名、79%であった。晩期有害事象についてGrade 3を3名、Grade 2を13名に認めた。本成績は手術や種々の放射線治療法を含めた世界トップクラスの諸家の報告と比肩するものであり、世界で唯一と考えられる54 Gy/9回の線量分割が十分に臨床的に有用であることを示した。さらに、超寡分割照射のモデル的線量分割として、サイバーナイフ等をはじめとする高精度外照射による超寡分割照射の線量分割に応用できる可能性を指摘した。 大阪大学で行っている、前立腺癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)について、MV-CBCT(メガボルテージコーンビームCT)を用いたIGRT(画像誘導放射線治療)についてのシミュレーションスタディを行った。IMRTのような高精度照射においては、毎回の照射直前にMV-CBCT等を撮像して、その日の前立腺の位置を確認して微調整を行う方向にある。しかしMV-CBCT撮影はそれ自体被曝線量がある。MV-CBCTによる線量も治療線量の一部とみなし、処方線量の残りの部分の最適化をより強くかけることにより、総処方線量の分布をより合理的なものにすることができる。本法により、少なくとも膀胱線量についてはより低減することができることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として計画したとおりの進捗状況であり、一部課題は論文発表まで達成できており順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
全体として計画したとおりの進捗状況であるので、これまでの方策にて研究を続行する。次年度は最終年度であるため、全4年間の成果をまとめる予定である。
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Research Products
(5 results)