2009 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌に対する放射線照射による急性期低酸素状態の経時的解析
Project/Area Number |
21791193
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
礒橋 文明 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (00448036)
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Keywords | 低酸素 / 前立腺癌 / 酸素分圧 / 経時的解析 |
Research Abstract |
癌の放射線抵抗性の原因として、腫瘍組織内の低酸素が主要な原因として挙げられる。腫瘍内の低酸素には(i) 腫瘍血管からの酸素拡散が届く距離から離れているために起こる低酸素(慢性期低酸素)、(ii) 腫瘍内血流の一時的な減少あるいは途絶により起こる低酸素(急性期低酸素)があることが知られている。慢性低酸素については腫瘍内に直接微小電極を刺入する方法が確立されているが、急性期低酸素に対する報告は少ない。また経時的に腫瘍内低酸素を計測した報告はまったくない。当科では前立腺癌に対する放射線治療として高線量率組織内照射単独療法という手法を10年来施行している。この方法は密封小線源(192Ir)を前立腺内に刺入・留置された十数本のアプリケータ内へ誘導して治療する手法であるが、我々の施設は4日間連続留置という方法を取っている唯一の施設である。組織内照射の期間中は会陰部から前立腺にアプリケータが刺入されたままであるので、患者はベッド上安静状態である。よって、1本の電極を余分に刺入するのみの負担で、前立腺組織内の放射線照射中の酸素分圧が経時的に計測可能になる。このことは世界的に見てもまったく新しい試みである。本年度は組織酸素分圧測定装置を購入し、まずファントムを使用し具体的な刺入方法について検討を加えた。その結果、シース・イントロデューサーを使用し電極の先端を前立腺内に留置する方法がよいことが確かめられた。その検討に基づいて、当院倫理委員会に臨床試験の承認を得るために申請書を作成し、近日中に申請予定である。
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