2009 Fiscal Year Annual Research Report
胸腹部への強度変調放射線治療の為の線量計算システムの開発
Project/Area Number |
21791194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武川 英樹 Osaka University, 医学系研究科, 特任助教 (60526870)
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Keywords | 強度変調放射線治療 / 呼吸性移動 / 線量計算 / モンテカルロシミュレーション / 肺癌 / 膵臓癌 / Double damic sstem / 4DCT |
Research Abstract |
本研究は2つの動的システム(Double dynamic system), MLCよる動的な強度変調ビーム及び腫瘍の呼吸性移動に対応させたモンテカルロシミュレーションを実現し,胸腹部への強度変調放射線治療のための線量計算システムの開発を目的としている. まず,2つの動的システムの関連付けを行った.動的な強度変調ビームは,MLCリーフシーケンスに基づき,設定モニタユニット及び線量率によりその時間変化及び照射時間が決定される.一方,腫瘍の呼吸性移動は4DCT及びVarian RPMにより得られる呼吸波形データにより周期及び各位相画像が有する時間情報の決定が可能となる.RPM呼吸波形データ上の任意点を照射開始時点とすることで,4DCTの各位相画像と照射されるビーム(MLCリーフシーケンス)の関連付けを可能とした.次に,2つの動的システムを考慮したモンテカルロシミュレーションを行うために,BEAMnrc/DOSXYZnrcコードの改良を行った。まず,腫瘍の呼吸性移動は4DCTを使用したシミュレーションを行うことで考慮した.4DCTを3DCT位相画像の集合と見なし,それぞれの3DCTで線量計算を行う.腫瘍の呼吸性移動を考慮した最終的な線量分布は,リファレンスとなる3DCT画像と各3DCT画像間での対応点をレジストレーション法により求め,その対応点に応じて線量の積算を行うように改良した.MLCによる動的な強度変調ビームは,粒子が取得されたときのMLC形状に基づいた時間情報を新たな粒子情報として導入することで考慮した.従来法は時間情報を保持しない粒子を用いるため,動的な強度変調ビームは静的なものとして扱われる。時間情報に基づいたシミュレーションの実現を,従来法との線量分布の比較により検証した.従来法では積算された線量分布が得られたのに対し,新手法では時間変化する線量分布が得られた.また,時間積分した分布は従来法と一致した. 新たに開発したシステムにより,double dynamic systemによるinterplay effectを考慮した線量計算が実現され,今後はその影響の定量的な解析を行う.
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Research Products
(13 results)