2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍移植鶏卵モデルによるin vivo活性を指標とした多機能性放射線増感剤の創製
Project/Area Number |
21791198
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宇都 義浩 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20304553)
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Keywords | 低酸素細胞放射線増感剤 / グルコース / 腫瘍移植鶏卵 / 薬物動態 |
Research Abstract |
本研究の目的は,腫瘍移植鶏卵モデルによるin vivo活性を指標とした多機能性放射線増感剤の創製である.具体的には,安価でジェネティック制御下にあるため個体差が小さく,実験誤差が小さく,倫理的問題の少なくて済み,動物舎等の特別な施設を必要としない発育鶏卵を用いて漿尿膜血管上に固形腫瘍を形成させた腫瘍移植鶏卵モデルを作成し,in vivo放射線増感活性を指標として臨床応用を目指した低酸素細胞放射線増感剤の開発を試みるものである.平成22年度は,平成21年度に構築した評価系を用いてエタニダゾールおよび我々が分子設計した糖ハイブリッド放射線増感剤TX-2141およびTX-2244のin vivo放射線増感活性を評価した.エタニダゾールと4Gy照射の併用群は,コントロールや増感剤単独もしくは放射線照射単独群に比べて有意な腫瘍重量の減少は見られなかった.一方,エタニダゾールと8Gy照射の併用群は,コントロールや増感剤単独群もしくは放射線照射単独群に比べて有意な腫瘍重量の減少が見られ(p=0.043vs. control ; p=0.015 vs.drug ; p=0.0029vs. 8Gy),コントロール群に対して35%の腫瘍成長阻害率を示した.TX-2141に関しては,TX-2141と8Gy照射の併用群においてコントロールに比べて有意な腫瘍重量の減少が見られたが(p=0.031vs.control),8Gy照射群と同程度の腫瘍成長阻害率(25%)でありTX-2141の相加的・相乗的効果は見られなかった.TX-2141は腫瘍移植鶏卵モデルにおいてエタニダゾールと同程度の腫瘍集積性を有するにも関わらずin vivo放射線増感活性を示さなかったことから,腫瘍中の低酸素がん細胞移行性の差が影響していると思われる.また,TX-2244もTX-2141と同様in vivo放射線増感活性を示さなかった.
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Research Products
(4 results)