2009 Fiscal Year Annual Research Report
MRI-ASL法を応用した血管内信号強調灌流画像における実用的有用性の評価
Project/Area Number |
21791200
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西原 正志 Saga University, 医学部, 医員 (50516557)
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Keywords | 放射線 / MRI / ASL |
Research Abstract |
当該年度において、健常者ボランティアにてMRI-ASL法のTI_2心電図波形との関係、血管内信号の抑制などの撮影パラメータの最適化の検討をおこなった。その結果は以下の通りである。(1)パラメータTI_2(=撮影タイミングの指標)の検討では2秒が最適であること、(2)心電図同期下での撮影では200ms遅延での撮影が最もSIN比が良好であること、(3)4cm/s以上の血管内信号を抑制すると、文献的に呈示されている健常者の脳血流シンチグラフィーと比較して、血流分布に関して類似はするが、脳血流値は低値を呈すること、これら3つのことが判明し、今後の検討に適宜応用させていく予定である。また、次年度あるいは次々年度でこの結果のまとめについて学会での発表を目標としている。 また、前述の検討項目に平行して臨床的な応用として、以下の項目を検討した。(4)もやもや病について、血管内信号を4cm/s以上抑制と設定することで、ダイアモックス負荷時の脳血流シンチグラフィーと近似した脳血流値が得られること、(5)転移性vs.原発性脳腫瘍の鑑別について、血管内信号を4cm/s以上抑制と設定すると、文献的には転移性vs.原発性脳腫瘍の鑑別が有用とされているが、今回の検討では富血管性腫瘍が膠芽腫と鑑別が難しいことが判明し、血管内信号抑制値の再検討が必要と思われた。本年度の臨床応用での検討ではこれらが明らかとなった。これらはすでに学会での発表をおこなった。
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