2010 Fiscal Year Annual Research Report
MRI-ASL法を応用した血管内信号強調潅流画像における実用的有用性の評価
Project/Area Number |
21791200
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西原 正志 佐賀大学, 医学部, 医員 (50516557)
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Keywords | 放射線 / MRI / ASL |
Research Abstract |
2年目となる当該年度において、MRI-ASL法の臨床応用を中枢神経系疾患に対して施行した。その結果、以下に挙げるいくつかの疾患で有用な結果を得ることができた。 1.症候性てんかん患者に対してMRI-ASL法を適用したところ、一過性高値を示した3例を見出した。てんかん発作後の一過性高血流を反映した所見と考えられ、これについて学会発表した。 2.もやもや病患者に対しMRI-ASL法を適用し、SPECTとの脳血流値の対比を行ったところ、アセタゾラミド(=脳血管拡張剤)負荷による脳血流値との強い相関性を見出した。この結果について英語発表をおこなった。 3.もやもや病患者におけるMRI-ASL法の活用法の更なる検討として、通常の撮影方法に加え、脈波同期させたMRI-ASL法を考案し、SPECTとの対比を行った。この結果、前述の如く通常のASLはアセタゾラミド(=脳血管拡張剤)負荷による脳血流値との相関性が再確認されたのに加え、脈波同期MRI-ASL法は安静時脳血流値と比較的良好な相関性があることを見出した。これについて学会発表した。 4.頭蓋内硬膜外動静脈瘻患者に対してMRI-ASL法を適用したところ、シャント血流について、優れた描出能を持つことがわかった。この臨床的有用性を英語論文にて発表した。 また前年度に引き続き、MRI-ASL法の定量性とその特性について、物理・数学的背景を解読しえた。これについて以下の如く発表を行った。 1.MRI-ASL法のバリエーションひとつであるFAIR法による定量評価の理論的背景について、臨床医に理解しやすく解説したものを学会発表した。
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