2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791204
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
島雄 大介 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20404907)
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Keywords | 放射光 / X線 / 屈折コントラスト / トモシンセシス / 乳がん |
Research Abstract |
前年度までに高エネルギー加速器研究機構のPhoton Factory-BL14Bに完成させたデジタルトモシンセシスのシステムにより、厚さ6cmの乳がん試料の撮影を行った。被写体に対する透過力を考慮しX線エネルギーは20keVとした。断層像の再構成時の計算機負荷を考慮すると生データのサイズはできるだけ小さいことが望まれる。そこで、再構成画像への影響が視覚的に検出されない程度の画素サイズを検討した。その結果、40μm程度の画素サイズでも十分に再構成画像を観察できることが分かった。そこで、画素サイズ7.4μmのX線CCDカメラを2×2のビニングにより14.8μm相当の画素サイズとして採用した。これにより撮影線量はほぼ1/2となったが、さらにビニングを5×5にすることも理論上可能で、撮影線量を1/5とすることも可能である。X線暗視野法による屈折強調された生データを用いてシフト加算法によりトモシンセシス像を再構成したところ、従来の吸収コントラスト法によるものと比べ、腫瘤や乳腺組織、クーパー靭帯の輪郭がエッジ強調された断層像が得られた。 焦点面以外の構造物を量かすという原理上、シフト加算法では画像全体に量けが目立つ。そこでフィルタ補正逆投影法(FBP)の原理を応用した再構成法を検討した。今年度は吸収コントラスト法でのFBPによるトモシンセシス像の再構成を試みた。ここでは、最も基本的なShepp-Loganフィルタを用いた。石灰化の描出は向上したが軟組織の描出能は低下した。次年度は、フィルタの改良と共にFBPによる屈折強調画像のトモシンセシス像の再構成を試みる予定である。
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