2009 Fiscal Year Annual Research Report
急性期脳梗塞のMRI拡散強調画像における表示階調自動正規化システムの開発
Project/Area Number |
21791205
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
長島 宏幸 Gunma Prefectural College of Health Sciences, 診療放射線学部, 講師 (60352621)
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Keywords | 急性期脳梗塞 / MRI / 拡散強調画像 / 画像表示 / 正規化 / システム開発 / 濃度ヒストグラム解析 |
Research Abstract |
急性期脳梗塞の画像診断において中心的な役割を占めるMRI拡散強調画像(MRI-DWI)は,画像のウインドウ調節により表示階調が大きく変化する.そこで,MRI-DWIと同時撮像される画像(b0画像)の解剖学的部位である視床の信号強度を用いたMRI-DWIの表示条件標準化法が考案された.しかし,考案方法は手動計測されるため作業時間と労力を必要とし,さらに,脳血管疾患の好発部位である視床を用いるため表示階調に変化をもたらすことが推測された.本研究では,問題点を改善するため 1, MRI検査担当者間でどの程度MRI-DWIの表示条件に差異が生じるかを調査した. →臨床経験2年~16年の診療放射線技師5名が表示条件を設定した画像は,担当者間で大きく異なった. 2, 群馬県内各施設で撮像された急性期脳梗塞の含まれるMRI-DWIとb0画像を収集した. →群馬県内3施設で撮像された計60症例からなる画像データベースを構築した. 3, 画像データベースを用いて既存方法を試み,その後,C言語を用いたプログラミング技術を用いて既存方法を自動化するためのアルゴリズムを考案してシステムを開発した. →既存方法と本研究で開発したシステムにより調節された各MRI-DWIを用いて,画質評価値を用いた定量的評価を行い比較検討した結果,両方法間におけるDWIの全画素の平均画素値の有意差は"ない"と判定され,最大誤差は6.30%となった.また,視覚的に比較評価した結果,脳実質部の表示階調に明らかな差異が認められず,満足できる程度に一致した. したがって,既存方法と変わりない画像を非常に短時間で出力できる本システムは,MRI-DWIの装置間,担当者間および被検者間の表示階調の格差を更に低減でき,画像所見の見逃し防止や正確な治療選択の決定に期待できると考える. 以上の内容をまとめて電気学会論文誌に投稿し,"論文"として受理された.
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