2010 Fiscal Year Annual Research Report
家兎肺腫瘍モデルに対するラジオ波凝固とGMーCSF局所注入による免疫賦活療法
Project/Area Number |
21791208
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大隈 智尚 大阪市立大学, 大学院・医学系研究科, 登録医 (50445029)
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Keywords | ラジオ波凝固 / 免疫賦活 / 実験腫瘍 |
Research Abstract |
日本白色種兎の肺にVX2腫瘍細胞を経皮的に穿刺し、肺腫瘍モデルと左耳介皮下に転移モデルを作成した。移植1週間後にCTで肺に腫瘍が作成されていることを確認し実験を行った。実験群は、無治療群、ラジオ波凝固(RFA)単独治療群、RFA後にGM-CSFを腫瘍に局注した群(RFA+GM-CSF)に分けた。 ラジオ波凝固治療は展開針2cm径のLeVeenNeedleを使用、CTガイド下に電極針を穿刺し通電した。3群の生存率の検討と左耳介の転移モデルの腫瘍体積を経時的に測定した。生存週数平均は無治療群約3週、RFA単独治療群とRFA+GM-CSF群は約7週であった。転移モデルの体積変化は、無治療群は単調増加し、RFA単独治療群とRFA+GM-CSF併用群は4週まで単調増加を呈し、その後一定となった。非治療群とラジオ波治療群、GM-CSF併用群とで有意な生存率延長および遠隔モデルの体積に有意差が示された。ラジオ波凝固では治療後に腫瘍の抗原に対して炎症細胞が集積すると報告されている。GM-CSFは顆粒球、マクロファージを直接賦活化する物質でありラジオ波凝固治療後に同薬剤を局注することにより、抗腫瘍免疫反応をさらに賦活化し生存率の延長、さらにはラジオ波凝固を行っていない遠隔転移へ抗腫瘍縮小効果が期待された。今回の実験よりラジオ波凝固と免疫賦活因子の注入の同時併用療法が臨床応用できる可能性が示唆された。詳細な結果、統計や病理組織の検討を論文にまとめて雑誌に投稿中である
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