2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエナジー法を用いた救急MDCTによる急性期脳梗塞CADシステムの開発
Project/Area Number |
21791210
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
原 秀剛 Kitasato University, 医療衛生学部, 助教 (80381424)
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Keywords | Multi-energy / X線CT / 脳梗塞 / 救急医療 / コンピュータ支援診断 / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究は,我国における死亡率原因の第3位及び寝たきりになる原因の第1位の脳血管疾患を対象とし,近年問題視される脳梗塞を画像診断により支援する手法の開発を目的としている.我々は平成18年度より継続的に脳卒中画像診断支援の確立を目指し,疾患検出画像処理技術やX線CTによる描出能及び撮影条件評価を目的にファントム開発を行ってきた.本年度においては,1. 急性期脳梗塞検出用X線CT撮影条件の再考,2. 急性期脳梗塞を描出するための画像処理アルゴリズムの開発,3. 脳卒中診断における本手法の小児領域への応用(可能性),4. Multi-energy法を用いた撮像パラメータの構築について主に検討を行った. 1及び3において,急性期脳梗塞描出に必要なCTプロトコールと撮影線量が明らかになり,救急時におけるrt-PA使用による血栓溶解療法の適応判断がX線CTにて行える可能性を明らかにした.また,成人のみでなく,小児における脳梗塞等の低吸収領域における撮影条件を導き,本手法が患者全般に応用できることがわかった.2において,ボケマスク処理を応用した周波数強調処理を考案し,低吸収域の大幅なコントラスト改善を確認した.この画像を対象にモルフォロジカルフィルタとラベリング後の面積を特徴量とする一連のアルゴリズムを開発し,X線CTでは描出困難とされている急性期脳梗塞の検出に成功した.4において,135kV,80kVの異なるエネルギー撮影画像に係数を乗じ,合成画像の生成によるコントラスト維持及びノイズを減少させる手法を構築し,低吸収域のコントラストの上昇傾向を明らかにした.
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