2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエナジー法を用いた救急MDCTによる急性期脳梗塞CADシステムの開発
Project/Area Number |
21791210
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
原 秀剛 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (80381424)
|
Keywords | Multi-energy / X線CT / 脳梗塞 / 救急医療 / コンピュータ支援診断 / 画像処理 / 放射線機器工学 / rt-PA |
Research Abstract |
本研究では,わが国における死亡率原因の第3位である脳血管疾患を対象としている.昔から脳出血が多い国として有名であり,近年は食の欧米化や成人病が増加し脳梗塞が問題視されている.我々は脳卒中画像診断支援法の確立をめざし,疾患検出画像処理技術やX線CTによる描出能及び撮影条件評価を目的にファントム開発を平成16年度より継続的に行ってきた.平成22年度においては,科研費にて開発した脳卒中ファントム(特許出願済)による(1)急性期脳梗塞描出のための頭蓋骨の影響評価及びDual Energy画像の利用,(2)脳梗塞に対応した画像処理アルゴリズムの作成について主に研究を行った. (1)に関して脳卒中ファントムを用いた半導体検出器によるフォトン数の測定より,頭蓋骨による減弱率を算出し,約50%が骨による吸収で検出器まで到達しないことを明らかにした.同様に脳卒中ファントムを用いたX線CT臨床機においてのCTDIWの測定からも約50%の頭蓋骨による吸収を確認した.一般に,急性期脳梗塞等の低コントラスト領域に影響するNoise成分の要因として,検出器に入射するフォトン数の減少が考えられ,高管電圧の利用でフォトン数減少を防ぐ方法等を現在考案中である.また,異なるEnergy(管電圧)で撮像した2画像を用いて,係数を変化させた合成画像の取得から低コントラストの上昇を検討した.係数0.4と0.6の組合せの合成画像のシミュレーションにおいて,コントラスト上昇を確認した.この結果を受け,臨床機にての実験を計画中である.(2)に関して上記画像を対象に,モルフォロジカルフィルタとラベリング後の面積を特徴量とする処理を開発し,X線CT検査では描出困難な急性期脳梗塞を早期に検出する可能性を明らかにした.
|