2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791215
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白石 悠 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00445339)
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Keywords | 分子標的治療薬 / 放射線治療 / 胃癌 |
Research Abstract |
本研究は、分子標的治療薬による胃癌細胞の放射線感受性に対する影響の解析を第一の目標としたものである。放射線照射・分子標的治療薬投与による遺伝子発現の変化を解析し、放射線感受性に関する遺伝子を同定し、放射線抵抗性のメカニズム解明や新たな治療法の開発を最終的な目標としている。 胃癌は長らく放射線抵抗性と考えられてきたが、切除可能胃癌患者における術前化学放射線療法の有効性が示され、現在では放射線治療は術後の補助療法としても期待されている。最近、分子標的治療薬の中に放射線増感作用が期待できるものがあると報告され、胃癌に対する分子標的治療薬併用放射線治療の基礎的研究を着想するに至った。未だ、胃癌の分子標的治療薬併用放射線治療に関する基礎研究の報告は見られず、本研究は、今後の臨床応用の基礎となる重要な研究となりうると考えている。 初年度は、ある蛋白の発現量のことなる2種の胃癌細胞、NCI-N87とMKN-45について、コロニー法を試みた。当初、当研究室にて保有していた細胞株を用いて実験を試みたが、過去の文献と同様の条件で繰り返すものの、コロニーを形成しなかった。そのため、新たに細胞株を輸入購入したところ、MKN-45については、コロニー法にてPE=20%程度で、再現性を確認できた。NCI-N87について、コロニー法を試みたが、コロニーを形成する条件を求められずにいた。2年目の本年は、NCI-N87のコロニーを形成する条件の設定を試みた。結果、PE=2~5%と非常に低いものの、再現性のある条件を求めることができた。現在、放射線照射単独による両細胞の生存曲線の着手に取り組んでいる。今後は、分子標的治療薬の有無による放射線照射による生存曲線の変化をコロニー法による解析、および、標的蛋白やmRNAの多寡、および、発現量の変化を両細胞について解析していく予定をしている。
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