2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管病変評価のためのダイナミックCTデータの新しい解析法
Project/Area Number |
21791226
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Research Institution | Research institute for Brain and Blood Vesseis Akita |
Principal Investigator |
茨木 正信 Research institute for Brain and Blood Vesseis Akita, 放射線医学研究部, 研究員 (40360359)
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Keywords | 脳 / CT / 脳血管 |
Research Abstract |
本研究は脳血管障害,とくに脳血管狭窄・閉塞による脳卒中を対象とし,血管病変評価を行うための新しいダイナミックCTデータ解析法を提案するものである。平成21年度の主目的は手法開発であり,以下の成果を得た。まず,造影剤静注後のダイナミックCT撮像データから,血管内造影剤濃度に対応するCT値を読み取るシステム,および選択した血管経路を1次元にマッピングするシステムをワークステーション上に構築した。現段階ではユーザーが指定した血管領域からデータ取得を行うものであり,今後自動血管抽出を行う予定であるが,血管分岐部の処理等が課題となると考えられる。以上のシステムにより,CT造影剤濃度-血管距離を扱う解析が可能になった。 これをもとに,血管狭窄症例の検査により得られたダイナミックCTデータ1例をテストデータとして予備解析を行った。CT造影剤濃度-血管距離カーブの時間変化(造影剤注入タイミングから)の解析からは,血管距離が増すほどに造影剤濃度が最大に達する時間が遅くなることが確認され,これらパラメーターの定量的解析が可能であることが示唆された。次年度以降は,CT造影剤濃度-血管距離カーブから各種脳循環パラメーターを定量的に取り出す手法の検討を行い,脳血管障害症例を対象として,正常血管と狭窄・閉塞血管の間で明瞭な差異が生じるか,臨床的に有用なパラメーターが得られるかの検討を行う予定である。
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