2010 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βによる血管新生促進システムPDGF-AA/p70SK6抑制機構の意義
Project/Area Number |
21791243
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
藤井 孝明 群馬大学, 医学部, 助教 (40507331)
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Keywords | TGF-β / VEGF / FGF-2 / 腫瘍血管新生 |
Research Abstract |
TGF-βはFGF-2依存性のVEGF発現に対し抑制作用を認め、さらにFGF-2依存性のHGF発現も抑制し、TGF-βはPDGF-A/p70S6K経路に対し抑制作用があることが示唆された。また、TGF-β依存性にVEGF発現亢進作用を認めるが、TGF-β依存性のHGF発現亢進作用は認められず、さらに各種シグナル阻害剤処置の結果より、PDGF-A/p70S6Kに非依存性のVEGF発現経路が関与している可能性が示唆された。生体における役割としては、過剰なVEGF発現を抑制する作用、またinitiation signalの終了などに関与していると考えられる。このTGF-βがPDGF-AA/p70S6Kシステムを抑制するという所見は、TGF-βの上皮細胞に対する抑制機構の一つである可能性が考えられ、TGF-βのシグナル異常によりVEGF、HGFの発現が亢進されることも予想され、TGF-βが癌の悪性化の一旦を担うangiogenic switchに関与する分子であることを示唆し得る所見である。 一方乳癌細胞株MCF-7に対するRapamycinの抗腫瘍効果について、VEGFの発現制御に着目して検討を行っている。MCF-7の増殖活性はRapamycin投与、またVEGFの中和抗体投与にて抑制された。また、MCF-7のVEGF発現はRapamycin投与により著明に抑制され、Rapamycinの抗腫瘍効果はVEGFの投与により阻害される傾向を認めた。一方、RapamycinによるVEGF発現抑制効果が認められなかった大腸癌細胞株HT29では、Rapamycinによる抗腫瘍効果は認められなかった。以上より、RapamycinはMCF-7のVEGF発現抑制による直接的な作用を介し、抗腫瘍効果に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)