2009 Fiscal Year Annual Research Report
トラスツズマブ投与患者における細胞性免疫応答の誘導と抗腫瘍効果における役割の検討
Project/Area Number |
21791248
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
齋藤 佳菜子 Mie University, 医学部・附属病院, 助教 (90447871)
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Keywords | HER2 / トラスツズマブ / HER2特異的CD8+T細胞 |
Research Abstract |
1. HER2陽性乳癌患者の手術後に、トラスツズマブ投与前として末梢血を約30-50mlの採血を実施した。またトラスツズマブ投与(1年間、三週毎)中、投与後にもそれぞれ30-50ml程度採血を順次実施している。採取した血液は末梢血単核球(PBMC)に精製し、匿名化及びコード化した状態で保存している。 2. 解析可能なHLAタイプがHLA-A0201もしくはHLA-A2402の二種類に限定されるため、患者末梢血を用いてHLAを検索している。 3. 保存したPBMCはマイクロビーズを用いてCD8+T細胞に精製し、HER2ペプチド存在下に培養することで、HER2特異的CD8+T細胞の誘導を試みた。コントロールとしてCMV、EBNAペプチドを用いている。 4. HER2特異的CD8+T細胞の解析:3)で誘導されたCD8+T細胞を用いて、ELISPO TassayにてHER2特異的IFNγ産生性CD8+T細胞の存在を解析した。まだ症例集積が少ないが、健常人と比較した場合、HER2陽性乳癌患者においてHER2特異的CD8+T細胞の存在が術後一年後においても確認できた症例が存在する。一方でトラスツズマブ前後での違い、HER2特異的CD8+T細胞の長期的な存在期間については今後の解析が必要である。HLA-A0201を有する症例の場合、HER2テトラマーが有用であるため、ELISPOT assayとともにフローサイトメトリーによるHER2特異的CD8+T細胞の頻度の解析も追加している。 5. 2010年2月時点で解析可能なHLAを有し、かつ追跡可能である症例は、HLA-A2402 8例、HLA-A0201 1例である。今後も症例集積を継続予定である。 6. トラスツズマブ投与前後において、HER2特異的CD8+T細胞とともに、抗腫瘍免疫を抑制する制御性T細胞(FOXP3陽性細胞)についても、フローサイトメトリーを用いて、解析中である。
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Research Products
(5 results)