2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病による骨髄細胞の機能低下における酸化ストレスの関与と抗酸化治療の効果
Project/Area Number |
21791253
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
久保 正幸 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 助教 (60420519)
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Keywords | 骨髄細胞 / 血管新生 / 糖尿病 / 酸化ストレス / 活性酸素 / 前駆細胞 |
Research Abstract |
自己骨髄細胞移植による心血管再生治療は虚血性疾患に対する有望な治療法であり、既に臨床応用されている。しかし、本治療の効果が十分に得られない患者が散見されており、高齢や糖尿病の併発による骨髄細胞の機能低下が原因として挙げられる。糖尿病では酸化ストレスが亢進しており、骨髄細胞の機能にも影響を及ぼすことが予測される。そこで、本研究では酸化ストレスの観点から糖尿病下の骨髄細胞の機能低下メカニズムを解明すると共に、抗酸化治療の機能改善策としての有用性を検証することを目的とする。本年度は、糖尿病動物の骨髄細胞において、機能が低下しているのか否か、また、酸化ストレスが亢進しているか否かについて明らかにすることを目的として検討を行った。実験動物として、2型糖尿病モデル動物であるdb/db(C57BLKS/J Iar-+Leprdb/+Leprdb)マウスを用いた。対照群には、健常なdb/+(C57BLKS/J Iar-m+/+Leprdb)マウスを用いた。両群のマウスから骨髄細胞を採取し、以下の実験に用いた。採取直後に、フローサイトメトリーによりFlk-1+/CD34+陽性細胞(内皮前駆細胞)率を定量評価すると、対照群と比較して糖尿病マウスの骨髄細胞では有意に低値であった(P<0.01)。培養3日後の細胞生存率を評価したところ、2群間において有意差は認められなかった。しかし、蛍光プローブDCFを用いて細胞内活性酸素量を測定すると、対照群と比較して糖尿病マウスの骨髄細胞では高値を示しており(P<0.01)、酸化ストレスの亢進が示唆された。また、培養7日後に、内皮分化マーカーであるVE-cadherinにて免疫染色を行った結果、糖尿病マウスの骨髄細胞で陽性細胞数が有意に減少しており(P<0.01)、内皮分化能の低下が示唆された。以上の結果から、糖尿病マウスの骨髄細胞では機能低下が生じていることが示された。また、その要因として酸化ストレス亢進が関与している可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)