2011 Fiscal Year Annual Research Report
個別化医療に向けた新規乳癌リンパ節転移診断法の臨床応用
Project/Area Number |
21791264
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Research Institution | 公益財団法人がん研究会 |
Principal Investigator |
大迫 智 公益財団法人がん研究会, 有明病院・病理部, 医員 (70535442)
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Keywords | リンパ節転移診断 / 乳癌 / サイトケラチン19 / mRNA / OSNA法 / 個別化医療 / 分子病理診断 |
Research Abstract |
One-step nucleic acid amplification法(OSNA法)は、先進的な分子生物学的リンパ節転移診断法である。従来の病理組織学的検索法では.リンパ節の一部の割面しか観察できず、リンパ節全体の腫瘍量の評価は困難であった。しかし、OSNA法ではリンパ節全体が検索でき、転移量をサイトケラチン19mRNAコピー数で定量化が可能である。そこで、実臨床でのOSNA法の有用性を証明する目的で、本年度は以下の研究を行った。なお、下記1)については論文発表され、2)については論文投稿中である。 1)非浸潤性乳管癌におけるOSNA法によるリンパ節転移診断:対象は2007年1月~2009年3月にセンチネルリンパ節を2mmスライス組織診で検索し、最終病理診断が非浸潤性乳管癌であった338例と2009年4月~2011年3月にwhole lymphnodeをOSNA法で検索した285例。転移検出能は、2mmスライス組織診0.3%(1/338)、OSNA法4.2%(12/285)であった。定義上は転移をしない非浸潤性乳管癌でも4%にリンパ節転移が見られることが明らかとなった。その原因を探求するため、今後原発巣における潜在浸潤巣の検索と転移陽性症例の予後調査を行う。 2)郭清リンパ節転移予測因子の探索:対象は2009年9月~2011年4月にセンチネル・郭清リンパ節の双方をOSNA法で検索した185例。郭清リンパ節転移量をマクロ・微小転移に分け、郭清リンパ節転移の予測因子を単変量・多変量解析を用いて探索した。その結果、センチネルリンパ節転移量が郭清リンパ節転移と強い相関があることがわかった。特に、センチネルリンパ節転移量は郭清リンパ節マクロ転移と正比例の関係にあった。今後,腋窩リンパ節郭清不要群を術中に抽出するため、郭清リンパ節転移を予測する簡易計算図表(ノモグラム)の開発する。
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Research Products
(6 results)