2009 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光トポグラフィによる肝鬱血域または肝腫瘍の同定
Project/Area Number |
21791271
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 順一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50328118)
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Keywords | 近赤外光トポグラフィ / 肝腫瘍 / インドシアニングリーン |
Research Abstract |
[目的]近赤外光トポグラフィ、ピコ秒単位のパルス光源から発光される連続近赤外光を光源とし、多数の送受光ファイバを通して生体表面において多点照射(24ヵ所から52ヵ所で測定)において高速に検出する光トポグラフィ法が考案された。これは、数ミリ秒の時間分解能で測定した範囲が2次元画像化(マッピング)できるようなり、脳科学領域において応用され発展した。具体的には、脳表面に沿って酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンを検出しマッピングすることで大脳皮質機能を神経活動部位の酸素代謝や血行動態のダイナミックな変化から詳細に検討することが可能になった。その後、光トポグラフィ法による脳機能イメージングとして、大脳皮質機能を測定する報告がされている。しかし、肝に応用した報告はない。今回われわれは、この光トポグラフィ法を肝臓に応用することを目的とする。例として、従来の一点における測定の問題点を克服し、肝表面全体の酸素化ヘモグロビンと、還元ヘモグロビンマップを2次元的にリアルタイムに表示し臨床に応用することが可能か探る。 [結果]平成21年11月までに、実験過程において、蛍光薬剤(ICG;インドシアニングリーン)によって、肝腫瘍が描出されることが発見された。これは蛍光薬剤ICGによって腫瘍が自己発光するもので、よって蛍光薬剤の効果(感度と特異度)を再評価する必要が生じた。この、蛍光薬剤が発するのは近赤外光と近赤外光トポグラフィの組み合わせは本研究を飛躍的に高めると期待される。よって、予定していた実験はこの蛍光薬剤の再評価のため年度内の完了が困難になり、翌年に一部繰越した。
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