2009 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌および胃癌における腫瘍幹細胞と骨髄由来細胞の相互作用の解析
Project/Area Number |
21791274
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
奥村 知之 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (10533523)
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Keywords | 胃癌 / 食道癌 / 幹細胞 / 骨髄 |
Research Abstract |
食道癌および胃癌症例における腫瘍幹細胞および骨髄間葉系幹細胞マーカーの発現を検討し、p75NTRやCD44に対する分子伝達経路阻害による腫瘍抑制効果を免疫不全マウスへの腫瘍細胞および骨髄由来細胞の移植実験によって示すことを目的として研究を進め以下の結果を得た。 1) 食道癌および胃癌切除標本における幹細胞マーカー発現の検討 組織アレイを用いた免疫組織染色によって食道扁平上皮癌の58/81例(71.6%)29/81例(35.8%)においてCD44およびALDH-1の発現をそれぞれ認めた。両分子の発現と予後など臨床病理学的因子との相関は認めなかった。胃癌においては33/63例(52.4%)においてALDH-1の発現を認め、発現は低分化な組織型と有意に相関していた。 2) 食道癌および胃癌切除標本のマウスへの移植 食道小細胞癌1例、食道GIST 1例、胃癌7例、胃GIST 4例から、患者さまの同意のもと、手術標本から腫瘍片を採取し免疫不全マウスの皮下に移植し、胃癌1例、食道小細胞癌1例、食道GIST1例、胃GIST2例から皮下移植腫瘍を得た。腫瘍形成が予想より低頻度であったため胃癌培養細胞株10株を免疫不全マウスに移植し、4株から皮下移植腫瘍を得た。 3) 切除標本における腫瘍幹細胞マーカー発現の検討 食道小細胞癌切除標本およびマウス皮下移植腫瘍、培養細胞株における食道癌幹細胞マーカーp75NTRの発現を免疫染色にて確認した。 胃癌小細胞癌切除標本およびマウス皮下移植腫瘍、培養細胞株における胃癌幹細胞マーカーCD44およびALDH-1の発現を免疫染色にて確認した。 4) 腫瘍幹細胞と間質細胞との相互作用の検討 胃癌切除標本から間質細胞(線維芽細胞)を分離培養し、胃癌細胞株とともにマウス皮下へ供移植したところ、胃癌細胞株単独に比べて腫瘍増殖の促進がみられ、摘出標本にてヒト由来癌細胞とともに間質細胞の増殖を認めた。
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